| そばの起源は? | |
![]() |
そばの歴史を遡ると、そばの原産地はヒマラヤの山岳地帯から中国雲南省にかけての一帯で、日本には朝鮮半島を経由して伝えられたといわれている。考古学的にも、インダス河流域や中国の黄河流域では、そばの栽培された跡や種子などが発見されており、紀元前四〜五千年頃にはすでにそばが麦と同様に食糧として欠くことのできないものであったことがうかがえる。ヨーロッパへは十字軍によってもたらされ、後にアメリカ大陸にも伝えれられ、そばは古来からまさに世界的な食べ物のひとつであった。
そばの食べ方は世界各国で様々で、薄焼きにしたり、粥状にして食べたり、そばがきのようなだんご状で食された。日本でも現在のような「そば切り」のかたちで食されるようになったのは江戸時代初期といわれ、それまではすいとん状やだんご状のものを煮たり焼いたりした素朴な食べ物であったそうだ。現代ではもっぱらそばとつゆが一体となったそば切りで食されることが多く、この食べ方は日本独特のものである。 |
| 栄養満点!そばの秘密 |
|
そばは健康と美容に非常によい食べ物とされている。その秘密は何だろう? たとえば、そばは一般に消化のよい食べ物といわれているが、これはそば粉に含まれる澱粉はジアスターゼによる消化が非常に早く、水によく溶けるという性質があるためで、すぐに消化吸収され、胃にもたれる心配がない。 また、そばは良質なタンパク質が豊富で、ビタミン類も多く含まれている。特に心臓病予防や食欲不振の解消に効果のあるビタミンB1、動脈硬化の予防、皮膚粘膜を丈夫に保つビタミンB2などを効果的に摂取することが可能だ。 そして、老化やガンを防ぐ効果もある。活性酸素の発生を促進する原因が蔓延した近代社会では、ストレスや喫煙、食生活、排気ガス、紫外線などから、正常な細胞がダメージを受けやすく、老化やガンの原因となっている。そこで、そばに含まれる抗酸化効能を持つポリフェノール(ルチン)が効果を発揮するのだ。 そのうえ、そばはカロリーが低く、栄養素も高いため、ダイエット中の人にも非常に効果的。このように、そばは健康と美容には非常に強い味方なのである。 |
| そばのおいしい食べ方 |
|
十人のそば好きがいれば十人のそば通がいるといわれるほど、そばに対する思いや食べ方は人それぞれだ。ここでそばの食べ方を論じるのは邪道だと思われるが、あえて一茶庵の創始者である故・片倉康雄氏が残した「そばのおいしい食べ方」というのを紹介したい。 「もりそば」や「ざるそば」を食べるときに、つゆにどっぷりとつけてしまう人がよくいる。中にはつゆの中でそばをかきまわしてからめたりする人までいる。その人の勝手といってしまえばそれまでだが、それではつゆの味ばかりが勝ってしまい、肝心のそばの味がわからなくなってしまう。 そばは大づかみにせず、箸で数本をつまみ、そしてその端をちょっとだけつゆにつけ、すぐにひきあげて口にすすりこむ。こうすれば、そばの味がきて、次に追いかけるようにつゆのからんだ味がくるので、そばそのものの味も、つゆのからんだ状態の味も両方楽しむことができる。そして、薬味などはつゆの中にといてしまわず、そばの合い間に微量を舌先にのせ、口直しとして使うのがよろしい。以上のような食べ方をすることで、そばに意外なほど甘味があることに気づくであろう。 |
| <主な参考文献> 『蕎麦と生きる』(岩崎信也著/柴田書店) |